シンセを買う(初心者向け)
とりあえず2台紹介しておきます
ぶっちゃけ、どちらのシンセサイザーもプロ向け用と大差無い音が出ます。
最近の低価格シンセサイザの心臓部は、上位機種の技術や波形データを流用して作られています。
鍵盤の違いやボディの材質、機能の省略、電源をACアダプタ化する等で、なんとか差別化を図っている感じです。
Roland FANTOM-0
詳細はこちら
https://www.roland.com/jp/promos/fantom-0_series/
ローランドのワークステーションです。ファントム・オーと呼ぶそうです。
FANTOMという上位機種があるので、名称がややこしいのですが、こちらは「-0(ゼロ)」が付きます。
鍵盤はFANTOM-06、07は61鍵、76鍵のシンセ鍵盤、FANTOM-08は88鍵でピアノタッチ鍵盤です。鍵盤以外に違いはありません。
ピッチベンドのジョイスティックの他にホイールも搭載してるので、他社でホイールに慣れてる場合も安心です。
液晶パネルはタッチスクリーンになっています。
中身は最上位機種「FANTOM」の機能縮小版です。前の機種「FA」の後継機種という位置づけです。
・V-Piano、n/zyme未対応
・アナログフィルターが無い
・CV端子が無い
・エクスパンジョンのデータ格納領域が2GBから256MBに縮小(15種類のWave Expansionは無償提供)
・トーンリメイン(音色切り替え時に前の音がブツ切れにならない機能)が8パート
等、細かい違いはありますが、ほぼ同じ音が出ます。
16ゾーンマルチティンバーでZEN-Core音源(バーチャルアナログ、PCMのハイブリッド)Super Naturalアコースティック音源が自由に設定可能です。
16ゾーンそれぞれにエフェクターを独立して設定出来るのも特徴です。
ゾーン2限定ですがバーチャルトーンホイールオルガンも使えます。
ローランドクラウドに加入する等で、別売りですが、モデリング音源を追加インストールすることも可能です。
JUPITER-8、JUNO-106、JX-8P、SH-101があります。(16ゾーンに複数割り当て可能)
Super Naturalアコースティックはピアノ、オルガン、エレピ、クラビ、ストリングス等、キーボード系はしっかり抑えてあります。
ZEN-Core音源はローランドの他の機種と互換性があり、このシンセで作った音色をAX-Edge、RD-88で読み込んだり、逆にFANTOM-0にインポートする事もできます。
16パートもあるので、最上位機種FANTOMのような音色作りが出来ます。
USBオーディオMIDIインターフェース機能もあるので、マイクやギターの音を録音したり、PC用音源としても使えます。 インプット端子から録音(サンプリング)して右側のPADに割り当てて再生したり、取り込んでシンセサイザーの波形として使うこともできます。
PCとの親和性も重視されており、DAWソフトウェアのリモートコントロール機能が充実、オーディオインターフェイスにもなるところがポイントです。
軽量化されているので、持ち運びも楽です。
パターンシーケンサーも付いていて、鍵盤が弾けなくてもステップレコーディングで打ち込めます。
YAMAHA MODX M
詳細はこちら
https://jp.yamaha.com/products/music_production/synthesizers/modxm/index.html
MODX M6、MODX M7がセミウェイテッドFSB鍵盤(ヤマハCK61ステージキーボードと同じ)で、MODX M8がGHSピアノ鍵盤です。
ヤマハはピアノ、管楽器、木管楽器、パーカッション、ギター、ドラムまで
「本物の楽器」を作ってるメーカーです。
本物のヤマハの楽器を録音した音がするのが最大の魅力です。
中身は最上位機種「MONTAGE M」の機能縮小版です。(CPUパワーも3/4くらい)
とはいえ、収録されているPCM波形はMONTAGE Mと全く同じで、FM-Xという8オペレータの強力なFM音源とAN-Xアナログモデリング音源(最大同時発音数12)も搭載しています。
シンセサイザーとしての音作りの自由度も最上位機種MONTAGE Mと全く同じです。
本物の楽器を作っているメーカーなので産地直送のリアルな音が沢山入っています。
容量も大容量で、どんなジャンルもこなします。ピアノ、ギター、フルートやブラス、
パーカッション系波形の充実度は突出しています。
AWM音源は最大128種類の波形を1セットにして1ボイスを作れるので128音を鍵盤を弾く強さで切り替えたり重ねて使用出来ます。(現実的には8~12種類くらいで音色を作る)
音色は16パートまで重ねたり出来ますし、16パートマルチティンバー音源としても使えます。
各パートにAWM音源(通常パートまたはドラムパート)、FM音源、AN-X音源を設定可能です。
6パートで作成すると、音色切り替えの時にスムーズに音が繋がる「SSS (Seamless Sound Switching)機能」が使えます。
フィルタ、エフェクト等のエンジンも秀逸で、今まで培ってきたヤマハのノウハウが凝縮されています。
1パートだけVCMロータリースピーカーが使えるのもMONTAGE Mと同じで、スライダーも8本になった為、本格的なオルガンの音色作成、演奏が可能です。
USBオーディオMIDIインターフェース機能もあるので、マイクやギターの音を録音したり、PC用音源としても使えます。
最大96KHzまで対応しています。
MONTAGE Mとの違いは以下の通りです
・大幅な軽量化
・本体左側のサブ液晶や物理ボタンやノブ、スライダーの省略
・キーボードの品質(アフタータッチ無し)、リボンコントローラ無し、ホイールの位置
・エフェクタが12個+AD/DA用1つと減り、音切れ防止機能が最大6パート構成の音色までとなっている
・AD/DAコンバータの質
・USBオーディオインターフェイス機能の違い(44.1KHz~96KHz、パート数)
など大分変ってますが、それでもMONTAGE Mと比べて遜色無い音が出ます。
最大同時発音数がPCMが(ステレオでも)128+FM-Xが128+AN-Xが12と、プロ顔負けのシンセサイザと言えます。
Cubase AIも付属しています。
軽量化されているので、持ち運びも楽です。
MONTAGE M、MONTAGE、MODX、MODX+、XS以降のMOTIF、MOXFの音色データと互換性があり、読み込ませることが可能です。
FM ConverterでDX7などの音色データを変換出来るところもMONTAGE Mと一緒です。
Expanded Softsynth Plugin for MODX M というMOD Mを再現したVSTiが用意され、ユーザーであればダウンロードしてPCにインストールして DAW上のソフトウェアシンセとして使えます。(2026年初頭に完成予定)