LFOセクション
LFOの設定を行います。LFOとはLow Frequency Oscirator の略で、低い周波数でパラメータ値を揺らす機能です。
サイン波などを使って、ピッチを揺らせばビブラート、音量を揺らせばトレモロ、フィルタを揺らせばワウワウ、
左右の定位を揺らせば音が右に行ったり左に行ったり・・・色々と応用が利きます。
特にVirus TIにはWaveTable音源などもあるため、このWaveTableのIndex値をLFOで変えたりして
他のシンセサイザーでは味わえない、個性的な音色を作るのにも重要なパラメータです。
VIRUSには3つのLFOが付いています。
3つのうち、LFO3だけはContour、Envelope Mode、Trigger Phaseパラメータがありません。
※ LFO掛ける先のパラメータはモジュレーションマトリックスを使えばいくらでも自由に出来ます。
LFOパラメータ
■RATE(LFO1~3)
大きなノブを上下させると0~127の間でLFOの速さを設定できます。
■CLOCK(LFO1~3)
CLOCKをオンにするとLFOの速さはグローバルマスタークロック、もしくは外部MIDIクロックに同期します。
LFOの速度はクロックテンポに値を掛けた速度になります。大きなノブを上下させると掛ける値(1/64~)を変えられます
■KEY FOLLOW(LFO1~3) ※ 画面ではKEY FLW
キーフォローは押した鍵盤の位置により、LFOスピードを変えます。0でオフ、127でオクターブ毎にRATEが倍になります。
■TRIGER PHASE(LFO1と2のみ) ※ 画面ではTRG PHASE
トリガーフェイズはLFOの始まる位相を決めます。
0だとキートリガー機能はオフとなり、鍵盤を押した際はランダムな位置からスタートします。
1~127を指定すると、その値が0~360°に対応していて、指定した位相からスタートします。
必ず同じ位相からスタートしたい場合やEnvelope Modeを使う場合は値を設定した方が良いでしょう。
■SHAPE(LFO1~3)
LFOの波形を決定します。
サイン波、三角波、ノコギリ波、矩形波、サンプル&ホールド(S&H=ランダム波形)、
サンプル&グライド(S&G=S&Hの滑らかになった物)
また、波形グラフィックスのところをクリックして、マウスのボタンを押しながら上下に動かすと
内蔵されている62種類の波形(オシレータと同じ基本波形以外の波形)が選べます。
■LFO Contour(LFO1と2のみ)
LFOコントゥアーは選んだLFO波形を変形させます。値は-64~+63で0が真ん中とすると選んだSHAPEによって次の様に変形します。
●選んだSHAPEがサイン波だった場合
三角波~矩形波に変形します。
●選んだSHAPEが三角波だった場合
下りのノコギリ波~上りのノコギリ波に変形します。効果音のサイレンとかエレタム作る時なんかに重宝します。
●選んだSHAPEがノコギリだった場合
指数的に下降します。反対は段々丸く変化し、最後に矩形波になります。
●選んだSHAPEが矩形波だった場合
パルス幅が変わります。
●WAVESの場合>
波形の輪郭をズームし、波形ループの長さを短くします。
■MONO(LFO1~3)
MONOがオンの場合、全ボイス同じLFOに割り当てられます。
MONOがオフの場合、POLYモードとなり、弾いたボイス毎にLFOが割り当てられ、バラバラにLFOが動きます。
MONOの方がLFOがバラバラに動かず、LFOモジュレーションがハッキリと目立ちます。
■Envelope Mode(LFO1と2のみ) ※ 画面ではENV MODEボタン
オンにするとLFOの波形(1周期分)をEG(エンベロープ)の様に扱います。
例えば、ノコギリ波を使ってピッチにアサインすれば、音の出だしだけ高めのピッチで再生して強調するとか、
WaveTableのIndexに割り当てて、スピードを遅めに設定すれば、波形がコロコロ切り替わっていく効果が得られます。
※ Envelope Modeを使う場合は、TRIGER PHASEをOFF以外にしてスタート位相を固定した方が良いでしょう
LFOモジュレーション
LFO1~3のコントロールするモジュレーションの強さを設定します。
モジュレーションホイールやアフタータッチでこのASSIGN(AMOUNT)を操作すると良いでしょう。
LFO Modulation 1 | LFO Modulation 2 | LFO Modulation 3 ※4 |
---|---|---|
OSC1(ピッチ) | FILTER1(周波数) | OSC1(ピッチ) |
OSC1+OSC2(ピッチ)※1 | FILTER1+2(周波数)※1 | OSC1+OSC2(ピッチ) |
OSC2(ピッチ) | FILTER2(周波数) | OSC2(ピッチ) |
PW1+2(パルス幅) | SHAPE1+2(LFOの波形) | PW1(パルス幅) |
RESO1+2 (フィルタのレゾナンス) |
FM AMT (FMの掛かり具合) |
PW1+2(パルス幅) |
FILT GAIN※2 | PAN(ステレオの定位) | PW2(パルス幅) |
ASSIGN※3 (自由にパラメータを選択) |
ASSIGN※3 (自由にパラメータを選択) |
SYNC PHASE (SYNC機能でOSC1に対する OSC2の位相位置を設定) |
と、ある程度アサイン先が決まっています。LFO1、2には自由にアサイン先を選べるASSIGNが付いてます。
LFO3にはFADE INというパラメータがあり、時間が経つとモジュレーションが深くなっていく(フェードイン)ように設定出来ます。
※1 Linkランプ(チェーンの絵)を点灯させると有効になります。
※2 FILTER GAIN
フィルタ回路に入力する音量をモジュレーションします。フィルタゲインって名前だけど、要はアンプモジュレーションの深さです。
サチュレーション回路を使っていなければトレモロ効果(音が大きくなったり小さくなったりする)となります。
サチュレーション回路を使っていた場合、歪み具合がモジュレーションされることになります。
※3 アサイン先は以下の通り
左隣のノブで影響の強さを-100%~100%で設定します。
※4 LFO3のアサイン先は以下の通り
左隣のノブで影響の強さを0~100%で設定します。
MATRIXセクション
モジュレーションマトリックスの設定画面です。
様々なソース(モジュレーションホイール、ピッチベンドホイール、鍵盤、LFOなど)を色々なパラメータに割り当てる事が出来ます。
例えば
・モジュレーションホイールを使ってLFOの深さをコントロールする
・LFO1を使ってLFO2の値も同時に操作する
・Filter Envelopeを使ってオシレータのピッチを操作する
・パラメータをランダムに変化させる
・アルペジエータでパラメータを操作する
など、発想次第で凄まじい音色変化を与えることが可能です。
スロットと呼ばれるものが6つあり、各スロットにソース1つ、ディスティネーション(影響を与える先)を3つ指定できます。
パラメータへの影響力(Amount)は左隣のスライダで設定します。マイナスの値にすると効果がひっくり返ります。
例えば、全スロットのソースをモジュレーションホイールに割り当てれば、
モジュレーションホイールだけで最大18個のパラメータを操作するといった無茶も出来ます。
恐ろしい事に、スロット1の変化をスロット2へ掛けるとか、マトリックスモジュレーションに
マトリックスモジュレーション掛けるみたいな事まで出来てしまうので混乱しないように注意しましょう。
ソース一覧
ディストネーション一覧