音量を決める
アンプリファイア(またはアンプリチュード)セクションは音が鳴り終わるまでの
音量の時間的変化を決めるセクションです。
アナログシンセサイザのVCA(Voltage Controlled Amplifier)の事をアンプリファイアと
言っていた事に由来します。
ここで、音の大きさ、音が鳴る左右の定位(パンとかパノラマともいう)、時間的変化を決めます。
ピアノなら立ち上がりが速く、ゆっくり減衰していくし、オルガンなら最初から全開、
バイオリンなら立ち上がりと鳴り終わりがゆっくりなど、楽器の特徴として重要なのが
音量です。
ギターとバイオリンは波形が似ているのに人間が区別出来るのは音量の時間的変化が
違うからだそうです。
音の定位(パン)が異なる音を二つ重ねるとステレオ効果で音に広がりや分厚さを 与える事も出来ます。
キーボードを弾く強さで音量を調整するには音量のセンシティビティを変更します。
キーフォロワーはエンベロープの変化の速さを鍵盤の弾く位置で変える時に使います。
エンベロープとLFO
フィルターと同様、音が鳴り終わるまでの時間的変化をエンベロープと言い、
時間的変化を付ける機能をエンベロープ・ジェネレータ(EG)と言います。
エンベロープ
■アタックタイム
音が鳴ってから最大の音量になる部分を「アタックタイム」
と呼びます。音量が最大になるまでの時間を決めます。
■ディケイタイム
次のポイント(サステインレベル)までの変化を「ディケイタイム」
と呼びます。
サステインレベルに落ち着くまでの時間を指定します。
■サステインレベル
音が持続する場合、音量が落ち着く部分があると思います。この落ち着 いた時の音量を「サステインレベル」と呼びます。
持続音の場合はサステインレベルに「落ち着く音量」を
指定します。
減衰系の音(パーカッションやギター、ピアノなど)の場合は
サステインレベルをゼロにしておきます。
サステインレベルをゼロにしておけば、鍵盤を押し続けると
音が消えます。
木琴や鉄琴のような短い減衰音はディケイタイムを短く、
ピアノのような長い減衰音の場合は長めにしてあげれば良いという訳です。
■リリースタイム
鍵盤を離した後、音が消えるまでの時間を
「リリースタイム」と呼びます。
鍵盤を話した後、リリースタイム分鳴ったら音が消えます。
アタック、ディケイ、サステイン、リリースの頭文字を
取って「ADSR」と覚えましょう。
エンベロープいろいろ
エンベロープを作ってみる
変化の強さを決めるパラメータを「アマウント(amount)」と呼びます。
フィルターと違い、アマウントの値はマイナスになりません。
EGを音の定位(パン)に使うと音が左右に飛び交います。
LFO
LFOはLow Frequency Oscilatorの頭文字を取った物で、
遅い周波数で周期的にパラメータを揺らす機能です。
これを音量に掛けた場合、「トレモロ」効果となります。
通常、ディレイタイムやフェードタイムを設けて、段々効果を深くするとか、
LFOの強さをモジュレーションホイール(コントロールチェンジ1番)などに割り当てて
使用します。
音の定位(パン)に対して掛けると、音が左右に揺れることになります。(パンニング)