シンセサイザー研究室

フィルターを掛ける

synthesize-filter
フィルターはある周波数領域の音を削って、音色を加工するセクションです。
アナログシンセサイザのVCF(Voltage Controlled Filter) の事をフィルターと 言っていた事に由来します。
例えば、鍵盤を強く弾くと音が明るく、弱く弾くとこもった様な音が鳴るようにしたり、 シンセサイザの音でよくある「ミョーーン」っていうクセのある音を作ったりします。

フィルターを掛ける周波数の事をカットオフ・フリケンシー と言います。
このカットオフ・フリケンシーに時間的変化を与えて削る周波数を上下させたり、 削る量を変化させるとシンセサイザーらしい、面白い効果を得られます。
例えば風の吹く音を作る場合、ホワイトノイズにフィルターを掛け、最初は明るい音で フィルターを掛けて段々暗い音にし、再び段々明るい音にするように時間的変化を与えると 風が吹いているような音になります。
このように時間的変化を与える機能をエンベロープ・ジェネレーター (EG)と言います。
また、ゆっくり周期的に変化させるとギターでおなじみのワウワウ効果を得られます。
ゆっくり周期的に変化させる機能をLFO(Low Frequency Oscirator) といいます。


フィルターの種類

フィルターには以下の様な種類があります。

ローパス・フィルター(LPF)

LPF ローパス・フィルター(Low Pass Filter)はLPFとも呼ばれ、ある周波数(カットオフ・ フリケンシー)より下の周波数を通すフィルターです。
緑の線がカットオフ・フリケンシーです。
カットオフ・フリケンシーよりも高い周波数を削るので音がこもったようになります。

レゾナンスというのはカットオフ・フリケンシー周辺の音を持ち上げて音にクセを付ける 機能です。
シンセサイザーらしい「ミョーーン」というクセのある音に変化させる事が出来ます。

例えば、鍵盤の弾く強さ(ベロシティ)によって削る量を変化させれば、強く弾いた際は 明るい音、弱く弾いた際はこもった音にするといったことが出来ます。 (センシティビティといいます)
鍵盤で音程が高い方で弾くと明るく、音程が低い方で弾くと暗い音にするなんて事も 出来ます。(キー・フォロワー: Key Followerといいます)
Velocity and Key Follower
ローパス・フィルター


ハイパス・フィルター(HPF)

HPF ハイパス・フィルター(High Pass Filter)はHPFとも呼ばれ、ある周波数(カットオフ・ フリケンシー)より上の周波数を通すフィルターです。
緑の線がカットオフ・フリケンシーです。
カットオフ・フリケンシーよりも低い周波数を削るので音が痩せたようになります。

レゾナンスはローパス・フィルタと同様にカットオフ・フリケンシー周辺の音を持ち 上げて音にクセを付ける機能です。
シンセサイザーらしい「ミョーーン」というクセのある音に変化します。

ローパス・フィルタの逆と考えてください。
周波数の低い部分を削って周波数の高い部分の特徴だけを取り出したり、強調したい時に 使います。例えば打楽器の「コンッ!」っていう叩いた乾いた音だけ重ねたいとか、 周波数成分の高いところだけ利用したいときに使います。
カットオフ・フリケンシーに時間的変化を与えて削る周波数を上下させると、 最初は、か細い音だけど時間が経つと迫力のある音に変化する、またはその逆、 といった音も作れます。
ハイパス・フィルター


バンドパス・フィルター(HPF)

BPF バンドパス・フィルター(Band Pass Filter)はBPFとも呼ばれ、ある周波数(カットオフ・ フリケンシー)周辺のみ通すフィルターです。
緑の線がカットオフ・フリケンシーです。
カットオフ・フリケンシー周辺だけ通し、他の部分を削ります。

レゾナンスはローパス、ハイパスと同様にカットオフ・フリケンシー周辺の音を持ち 上げて音にクセを付ける機能です。
シンセサイザーらしい「ミョーーン」というクセのある音に変化します。

カットオフ・フリケンシー周辺の成分だけ取りだして利用したりするときに使います。 カットオフ・フリケンシーに時間的変化を与えて削る周波数を上下させると、 利用するオシレータによっては派手でシンセサイザーっぽい音色変化が得られます。
バンドパスフィルタ

バンドパス・フィルターの逆のバンドリジェクト・フィルター(ノッチ・フィルター) というのもあります。
カットオフ周波数の周辺だけ削るフィルターです。


エンベロープとLFO

音が鳴り終わるまでの時間的変化をエンベロープと言います。
この時間的変化を付ける機能をエンベロープ・ジェネレータ(EG)と言います。
ADSR

エンベロープ

■アタックタイム
音が鳴ってから最大になる部分を「アタックタイム」 と呼びます。フィルタが最大に開くまでの時間を決めます。

■ディケイタイム
次のポイント(サステインレベル)までの変化を「ディケイタイム」 と呼びます。
サステインレベルに落ち着くまでの時間を指定します。

■サステインレベル
音が持続する場合、落ち着く部分があると思います。この落ち着いた時 のフィルタの掛かり具合「サステインレベル」と呼びます。

持続音の場合はサステインレベルに「落ち着く音量」を 指定します。
フィルターを時間とともにゼロまで閉じる場合は サステインレベルをゼロにしておきます。
サステインレベルをゼロにしておけば、鍵盤を押し続けると 音が消えます。

■リリースタイム
鍵盤を離した後、音が消えるまでの時間「リリースタイム」と呼びます。
鍵盤を離した後、リリースタイム分鳴ったら音が消えます。

ADSR ADSR2
変化の強さを決めるパラメータを「アマウント(amount)」と呼びます。
フィルターに適用するエンベロープの場合、アマウントの値をマイナスにすることが 出来ます。
マイナスにすると、エンベロープをちょうどひっくり返した形に出来ます。

アタック、ディケイ、サステイン、リリースの頭文字を 取って「ADSR」と覚えましょう。
エンベロープいろいろ


LFO

LFO
LFOはLow Frequency Oscilatorの頭文字を取った物で、 遅い周波数で周期的にパラメータを揺らす機能です。
これをフィルターに掛けた場合、「ワウワウ」効果となります。
通常、ディレイタイムやフェードタイムを設けて、段々効果を深くするとか、 LFOの強さをモジュレーションホイール(コントロールチェンジ1番)などに割り当てて使用します。


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