Resonance OSC

また厄介な物を作るのぉ、KORGって会社は・・・

レゾナンスオシレータとは、入力波形にバンドパスフィルタを平行に4つ通して効果音的な音を作ったりするオシレータです。

回路図はこんな感じです。

moss_resonance

人間の声のスペクトル(周波数成分)を見るとこんな感じだそうです。
moss_resonance1

丸で示したコブが「その人の声の特徴」です。こういうコブが何個もあって声を形成してる訳です。

で、バンドパスフィルタというのは特定の周波数以外を削るフィルタです。
バンドパスフィルタのレゾナンスを上げるとその周波数付近の音量レベルが持ち上がってコブみたいなものが出来ます。

moss_resonance2

で、コルグは考えた訳です。
じゃあ、コブ4つくらい作って足し算すれば、なんか音になるんじゃないの??と、

moss_resonance3

で、こんな感じの音が作れるオシレータを考案しました。

ハーモニクスは16段階あり、入力波形を基準に最大16倍音まで設定できます。
また、倍音単位ですがコントローラなどでリアルタイムに動かすことが可能です。
倍音単位なので滑らかに変化せず階段状になってしまいますが、動かすとコロコロ音が変わって面白い効果になります。

例えば、ノイズを入力とすれば、洞窟のしずくが落ちる音とかフルートのクリックノイズなど、
「雑音だけど楽器に必要な音」みたいなものを作るときに便利です。

例えばこういう音色のノイズ成分を作ったりします。

■完成した音色
resonance1.mp3
ノイズ成分のみの演奏
resonance2.mp3

もう片方のオシレータやサブオシレータを入力してハーモニクスをLFOを使って動かしても面白いかもしれません。
ランダムに変化させるとちょっとしたシーケンス音色になります。
resonance3.mp3
これにノコギリで作った音を加えてフィルタなんか加えちゃうとカッコイイ音になったりします。
resonance4.mp3

他にも人間の声っぽい音とかも作れるみたいです。プリセット音色を参考に作ってみてください。

※ このオシレータは、レゾナンスが強力なので設定によってはピッチにも影響を及ぼし、
  場合によっては「ドレミファソラシド」と正確な音階で弾けなくなる事があります。


Ring Modulation OSC

moss_ringmod

リングモジュレーション「モジュレータとキャリアの積を取って出力する」と、説明書に書いてありますが、
所長は
「モジュレータの周波数とキャリアの周波数の和と差を足した金属っぽい音が出力される」
と覚えてます。

例えば、
「モジュレータが100Hzでキャリアが440Hzだったら340Hzと540Hzの音が足された様な音が出る」
という感じです。

このオシレータにはキャリア側の波形が内蔵されていて、4種類の基本波形から選びます。
そしてEdgeで高域倍音の量を調節します。TYPEは2種類あり、タイプ2の方が明るい音色が得られるようになっています。

モジュレータは、もう片方のオシレータ、サブオシレータ、ノイズ、フィルターを通した後の音を選べます。
モジュレータとキャリアの周波数は離れていた方が効果がハッキリ現れます。
また、音程感の無い金属音になるため、効果音に多く使われるようです。
音程感のある金属音にするには、モジュレータの「Semitone」の設定を「-5」か「+7」にすると良いようです。
オクターブで高さが変わります。

モジュレータのピッチをLFOで揺らすと北斗の拳のケンシロウが気合入れてるような音になります。←こんなんで判るのか?


Cross Modulation OSC

moss_crossmod

クロスモジュレーションとは周波数変調の事。
普通ピッチを揺らすときはLFOでビブラートを掛けたりしますが、
LFO波形の代わりに普通のシンセの波形を使って高速に揺らしてしまうという恐るべき仕組みです。
モジュレータ波形でキャリア波形を高速に揺らす事で、ディストーションっぽいというか
FM音源のオペレータを直列に繋げたようなギザギザした感じの音にします。

■音を聴いてみる
ノコギリ波にクロスモジュレーションを掛けます。
cross1.mp3
シンセの音を混ぜてエフェクトで味付けした音です。
cross2.mp3


Sync Modulation OSC

シンクモジュレーションとはマスターオシレータにキャリアオシレータの周期を同期させる仕組みです。
キャリアの波形周期を強制的に妨げてマスターオシレータが周期をスタートさせるのと同時に再スタートさせます。
キャリアオシレータの波形周期の妨害の反復は倍音を含む新たな波形を創り出します。

マスターオシレータがコレ
osc_sync1

キャリアオシレータがコレだとすると
osc_sync2

マスターオシレータの周期が一周した時にキャリアオシレータの周期が再スタートします。
つまり、キャリアオシレータの黒い部分が繰り返すようになります。

osc_sync3

こんな感じにキャリアオシレータが新しい波形に変身するのです。
派手に波形変化を求める場合はSEMITONEパラメータを動かすと良いです。
Fineも有効です。LFOなんかで揺らしたり鍵盤を弾く強さ(ベロシティ)で変化を出しても良いでしょう。


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