スタンダードオシレータの作りは3段階になっています。
1.波形の種類と音量を決める
スタンダードオシレータはメイン波形としてノコギリ波とパルス波のどちらかを選び、
それに三角波とサイン波をミックスして出力するようになっています。
まず、ノコギリかパルスを選び「Wave Edge」で高域倍音の量を設定します。
Edgeは大きいと力強く派手に、小さいと音が丸くなります。
次に三角波とサイン波の音量を設定します。必要に応じて上げましょう。
三角波はノコギリや矩形波に比べて基音が強い為ベース音などに最適です。
サイン波も適度に上げておきましょう。
参考に、私の持ってる「Virus Indigo」というアナログモデリングシンセは常にサイン波を出力してるみたいです。
基音がしっかりしていると「音が太く聞こえる」そうです。
2.ウェーブフォームを決める
MOSSはウェーブフォームモジュレーションと言って波形の形を変えられます。
ノコギリ波はWaveFormを変えると最大2倍の周波数のノコギリ波に変身。
パルス波はご存知パルスウィズモジュレーション(PWM)と同じで0は矩形(スクウェア)波。
数値が上がる(下がる)と細くなってパルス波になります。矩形波やパルス波はいわゆるファミコンの音ですね。
三角波は変形するとランプ波になり、ちょうど50で台形、99で再び元の三角波に戻ります。
シンセベースには欠かせないものです。
これらをLFOで時間的に数値を変えるとスゴイ事になります。(説明になってねぇ)
パルス波だったら先程のPWMになり、フェイザーやコーラスのような効果になります。
LFOだけでなくEGやコントローラもアサイン可能なのでとんでもない音も出来ます。
MOSSのLFOとEGはそれぞれ4つ。
LFOにLFO掛けたりLFOの深さをEGで変化させたり出来るMOSS。
これをウェーブフォームに掛けたらどんな音になる・・・?
3.ウェーブシェイプ
入力波形を変形させて新しい音を作る試みです。ウェーブシェープテーブルのタイプを選んで使います。
タイプはレゾナントタイプとクリップタイプの2種類。
簡単に言うとアレです。
ニンジンを星型の形にするときに使う「型」がウェーブシェイピングテーブル。入力波形がニンジンです!(笑)
アルミで出来た型をニンジンに押し付けると切れて星型になる。そんなことを音に当てはめるのがウェーブシェイピングです。
チョット拡大した入力波形にウェーブシェイピングテーブル押し付けるとそんな形ですよね!・・・強引??
ウェーブシェイプの値を変えるとウェーブシェイプテーブルの形が変化し、それ相応にシェイプされる結果が変わります。
最後にウェーブシェイプテーブルを通った音とオシレータ出力のミックスバランスを取って完成です。
まったく変な物作りやがるぜ!KORGはよぉ!
あ、スミマセン。えー、コムフィルタですね・・・
・・・飛ばして次行っていいですか?駄目ですか?駄目ですね。ハイ。
Combは辞書で調べると「クシ」「鶏のとさか」だそうです。・・・ニワトリのとさか?
▼日本の櫛
まず入力をどれにするか選びます。
オシレータ、サブオシレータ、フィルタ各種出力+ノイズの他にパルスノイズ、インパルスという2つがあります。
で、コムフィルタっていうのはどういうものかというと、クシ型のフィルタ
クシのトゲトゲの数はフィードバックの数で決まります。
トゲトゲが多い程、クシの長さ(減衰時間)が長くて、いっぱい削れます。
入力がノイズなどの場合、出来るだけガタガタになった方が音程感がハッキリ出て、楽器として使えるようです。
それにHighDampを加えて音色の柔らかさを設定して出来上がりです。
・・・いや、さっぱりわかんねぇや・・・(マテ
では実際に作ってみましょう!
■音を聴いてみる
まずはただのノイズ
comb1.mp3
ホントにノイズだ。
次は音を鳴らしながらコムフィルタのフィードバックを上げていきます。
comb2.mp3
段々音程感が現れてチェンバロのような音になりました。
HighDampで調整してみます。
comb3.mp3
EGとか作りこめばチェンバロとかシンセクラビになるかもしれません。実際はノイズだけでなく他の音も混ぜて音を作ります。
IMPULSEを使って音を作ってみます。
comb4.mp3
最初はプップップって感じです。
次にWidthを広げていきます
コムフィルタのフィードバック上げます。
HighDampで調整します。
クラビとかシンセのピコピコシーケンスとか色々使えるのかな?
フィードバックにベロシティをアサインしたりLFOで揺らしたり、色々やってみると面白い効果があるかもしれません。
Combを使って作ったピアノ風音色
comb5.mp3
Combを使って作ったシンセクラビ音色
comb6.mp3
VPMとは「Variable Phase Modulation」の略。位相変調、すなわちFM音源の事です。
よって「FM音源研究室」の知識も役に立ちます。
回路はこんな感じです。
これをヤマハ風な絵にするとこんな感じです。
・・・え?キャリアにフィードバックあるの?
そうなんです。キャリアにあるんです。
2オペレータでエレピやブラスなどFM音源チックな音いっぱい作れますね。
もちろん、サイン波だけじゃなく、キャリアには基本波形各種が使用可能。
モジュレータには基本波形の他にもう片方のオシレータやサブオシレータが使えます。
フィルターを通った後の音もモジュレータとして使えます。
で、実際はVPMは2つ同時に使えるので2つ用意してデチューン(微妙にピッチをずらす)
掛ければDXエレピも作れますね。もちろんエレピ以外の音だって作れます。
EGやLFOはいっぱい用意されているので、好き勝手やっちゃってください。
<VPMの法則>
● 音程と音の大きさや音量の時間的変化はキャリアの設定で決まる。
● 音の個性(キャラクタ)はモジュレータで決まる。
● モジュレータの音量は音の大きさではなく音色の派手さである。
と、こんな感じです。
モジュレータ、キャリアの出力レベルにそれぞれ別々のEGを割り当ててあげましょう。
モジュレータとして、もう片方のオシレータを設定可能・・・と言うことは
左の図の様な設定も可能と言うことですね。
直列3つのオペレータでフィードバックが2つ。
オペレータの波形は選び放題でウェーブシェイプも使用可能。
やりたい放題ですね。
この場合、「ミキサーセクションのOSC1の出力」をゼロにしておかないと
OSC1の青で囲った部分で作られた音も出力されてしまいます。
OSC1だけでも、まともな音で、左図の様にしても
まともな音が鳴る様なら問題無いですけどね。
OSC1のモジュレータ(オペレータ1)の出力をゼロにしてやれば
携帯電話やMSXのFM音源みたいな形にもなりますね。
ヤマハとは一風変わったFMサウンドを作ってみてください。
さて、モジュレータはもう片方のオシレータが選べることは判りました。
ではお互いにモジュレータにし合ったらどうなるんでしょう?
つまりOSC1のモジュレータをOSC2に、
OSC2のモジュレータをOSC1にしたら・・・
←←こうなる??
でもOSC1の出力がOSC2のモジュレータで
変調した結果がOSC1のモジュレータで・・・ハァ?
まさか、これは・・・
無限ループなんでは??
でも設定可能なんだよねぇ・・・何?やってみろ?
よっしゃ!やったるで!
この設定で「ドレミファソラシド」を弾いてみる
vpm1.mp3
+ 激しく理解不能 +
※ コレ、ホントに61鍵のキーボードを下から順に弾いただけですよ(^^;;