FS1R Editor の使い方


1.接続

接続方法は

1.PCのMIDI IN を2つ使用してPCの中で信号をミックスする方法
2.MIDIパッチベイを用いてPCとMIDIキーボードの出力信号をマージして繋げる方法

の2つがあります。

バルクダンプ中に演奏情報が入るとFS1Rがハングアップすることがあるので、繋げ方は「1」を強く推奨します。


接続しエディタを起動すると、初回起動時は
この画面が表示されます。
使用するMIDIポートをそれぞれ選びます。
MIDIキーボードは接続方法2でエディットする場合、
設定しなくても構いません。
MIDIデバイスIDは本体と合わせて下さい。
(工場出荷時のデバイスID初期値はALLなので
多分何もしなくてもOKです)



OKボタンを押すと、正しくFS1Rと接続されている場合、
FS1Rの今表示されている音色のデータ読み込みが始まります。


※ MIDIポート選択画面はメニューの「OPTIONS」>「MIDI Interface Setting」でも表示されます。


2.基本操作

(1)パラメータの操作


マウスを操作し、スライダーやコンボボックス、ラジオボタン選択等で数値を設定していきます。
数値はテンキーで入力することも可能です。(Enterで確定した段階でMIDI信号が送信されます)
間違えたら「Backspace」「Delete」キーで数値を削除して下さい。
音色の名前はキーボードで直接打ち込んでください。

項目の並び方は可能な限りFS1R説明書の順番になっています。
マニュアルと比較しながら各パラメータを操作してみて下さい。

※ エフェクトの設定や一部パラメータはテンキーで入力出来ない場所があります。


(2)ミュート機能

パフォーマンスのページではパートのミュート(消音)が出来ます。
(パートのボリュームゼロにしてるだけです)
押すとボタンが凹んでミュートされます。もう一度押すと元に戻ります。

ボイスのページにはオペレータのミュートボタンがあります。
(オペレータのボリュームとFSEQのスイッチをオフにしてるだけです)
押すとボタンが凹んでミュートされます。もう一度押すと元に戻ります。



(3)アルゴリズムの選択

アルゴリズム(オペレータの組み合わせ方)は数字を上下させるやり方の他に
「SELECT」ボタンを押す事によりグラフィカルに選べるようになっています。

アルゴリズムを選んでOKボタンを押して下さい。


(4)オペレータのEG設定

EG(エンベロープ)の設定は「EG Shape」機能を使うと楽です。
EG Shapeは、EG設定の雛形が格納されています。
選択することによりピアノ型、ストリングス型など様々な形が一発で設定出来ます。

「えんぴつボタン」を押すと、自分で作ったEGの形を書き足せます。
EG ShapeのコンボボックスにEG設定の名前を付けて「えんぴつボタン」を押すと、
リストの一番最後にEG設定が追加されます。(127個までOKです)

また、「フロッピーボタン」を押すとファイルに保存する事が出来ます。
拡張子が「.eg」のファイルに保存します。

読み込むときは「フォルダーボタン」を押してファイルを読み込みます。

EG設定を消したい場合、消したいEG設定を選んで「消しゴムボタン」を押します。



(5)コピー機能

メニューの「edit」を選択するかショートカットキーを使って設定をコピー出来ます。
コピー出来るのは以下の通りです。

  1.パフォーマンスページのパートパラメータ同士
  2.ボイスページのボイスパラメータ同士
  3.オペレータのパラメータ同士


<1.パート同士のコピー>
 1.パフォーマンスページでパートパラメータを
   選択している場合にメニューの「edit」>「Copy」を選ぶ、
   または「Command+C」で今選んでいるパートの内容を覚えさせます。

 2.他のパートを選び、メニューで
   メニューの「Edit」>「Paste」を選ぶ、または「Command+V」で
   先程コピーした内容を貼り付けることが出来ます。

   もし、貼り付ける場所を間違えた場合、メニューの「Edit」>「Undo」を選ぶ、
   または「Command+Z」で元に戻す事が出来ます。

<2.ボイス同士のコピー>
 1.ボイスページを選択している場合に
   メニューの「edit」>「Copy」を選ぶ、または「Command+C」で
   今選んでいるボイスパラメータの内容を覚えさせます。

 2.他のボイスを選び、メニューで
   メニューの「Edit」>「Paste」を選ぶ、または「Command+V」で
   先程コピーした内容を貼り付けることが出来ます。

   もし、貼り付ける場所を間違えた場合、メニューの「Edit」>「Undo」を選ぶ、
   または「Command+Z」で元に戻す事が出来ます。

<3.オペレータ同士のコピー>
 1.ボイスページを選択している場合に
   メニューの「edit」>「Op Copy」を選ぶ、または「Option+Command+C」
   今選んでいるオペレータ設定の内容を覚えさせます。

 2.他のオペレータを選び、メニューで
   メニューの「Edit」>「Op Paste」を選ぶ、または「Option+Command+V」
   先程コピーした内容を貼り付けることが出来ます。
   もちろん他のボイスにまたがってもOKです。
   ※ VOp(Voiced Operator)とUOp(Unvoiced Operator)同士の場合はEGなどの
     OSC設定以外の設定がコピーされます。

   もし、貼り付ける場所を間違えた場合、メニューの「Edit」>「Undo」を選ぶ、
   または「Command+Z」で元に戻す事が出来ます。


(6)バーチャルMIDIキーボード


オプションで「Virtual MIDI Keyboard」を選択するとキーボードウインドウが一番手前に表示されます。
マウスで鍵盤をクリックすると音が鳴ります。もう一度押すと止まります。



和音演奏も可能です。

複数の音を選択し、「Key Retrigger」ボタンを押すと和音が鳴ります。もう一度押すと止まります。
チャンネル、オクターブシフト、ベロシティ、コントロールチェンジの番号と値を変更して演奏して下さい。

もし、コントロールチェンジなどで値を変えすぎて訳が判らなくなった場合は「Reset ALL Controllers」ボタンを押して下さい。
全ての発音が止まり、コントローラがリセットされます。


3.データの送受信

(1)データ送信と受信

「Data Send」が送信、「Data Receive」が受信です。

から選びます。

「Performance」は

のデータを送受信します。

「Voice1」〜「Voice4」でボイス1〜4の設定を送受信します。

「System」はシステム設定を送受信します。

「ALL」は設定を全て送受信します。

また、上図の画面にあるボタンも機能は同じです。
ボイスページに付いているボタンは押した時に選んでいるボイスのデータを送受信します。

※ PfmCh(パフォーマンスチャンネル)はシステムパラメータとして扱います。


(2)ストア(FS1R本体への書き込み)

FS1R本体に記録したいときに使います。
パフォーマンス、ボイス1〜4を選択するとストア先を指定するダイアログが
開くので数字を入力してOKを押してください。


(3)初期化

データを初期化します。1から音色を作りたい時に使います。
部分的に初期化することも、全て初期化することも出来ます。


4.ファイル操作

(1)新規作成

「New」を選ぶとデータを全て初期化し、1から音色を作ります。
「Tools」>「Initialize」>「ALL」を実行するのと同じ意味です。

(2)ファイルオープン

「Open」を選ぶとFS1Rセーブデータ(fse)を読み込みます。
読み込みが成功するとデータをFS1Rエディタに送り始めます。

(3)名前を付けて保存

「Save」は名前を付けて保存します。

(4)MIDIファイル形式で保存する

「Export MIDI File」を選択するとSMF(スタンダードMIDIファイル)形式で保存します。
この形式で保存すれば、他のOSの人にもネットなどを通してデータをやり取りできます。


5.オリジナルFSEQを本体に格納する

※ オリジナルFSEQを作成するソフトウェアは残念ながらMac OSX版が存在しません。
  FSEQデータ作成は外国の方が作ったWindows版の"FSeqEdit"というソフトウェアを使用します。

   http://www.xs4all.nl/~niff/fs1r/

オリジナルFSEQデータを扱う為には、下準備が必要です。

FS1Rエディタを立ち上げる前に以下の準備を行ってください。

  1.FSEQを入れるためのインターナルメモリ領域を確保します。
   FS1R本体のUTILボタンを押し、「SYSTEM」>「Others」でFSEQメモリ確保の画面に移動します。

  2.「Mem=IntVoice128」となっているのを「Mem=IntVoice 64」にします。
    ※インターナルボイス65以降が消えてしまうのでバックアップしておいてください。

  3.準備が完了しました。FS1Rエディタを立ち上げてください。

起動するとFS1Rの設定を読み込み始め、最後にこのダイアログが出ます。

これは、FS1R本体とFS1Rエディタの同期を取る為に、
「FS1R本体のFSEQメモリを初期化して下さい」という意味です。

初期化されている場合はOKを押してください。
されていない場合は指示通りに「ALL」で初期化してください。

パフォーマンスページの「FSEQ & System」タブを選択し、FSEQのバンクを「Internal」にします。
初期状態はこのようになってます。

この状態でFSEQデータを格納したい場所を選択します。

選択したら「Write」ボタンを押します
格納したいファイルを選びます。

この例だと格納先は1番になっています。

データ送信が行われて、FSEQが格納されます。
「********」となっているのは「Flute」の大きさが512フレームな為、インターナルメモリを4つ消費している事を意味します。
FSEQは長さにより128、256、384、512フレームの4つがあります。128フレームでインターナルメモリを1個消費します。
FSEQは連続した領域にしか格納出来ません。また、一度書き込むと、そこに上書きは出来ません。

「Test」ボタンを押すとFSEQデータをエディットバッファに一時的に格納し、テストすることが出来ます。
エディットバッファには何度も上書きできます。

もう一度格納したいときは「Clear」ボタンを押します。すると、このダイアログが表示されます。

FS1R本体のFSEQ領域を初期化して下さい。

「CLEAR」ボタンを押した後は、またこの状態になります。